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映画や演劇の感想ブログです。個人的な感想でおおよその資料で書くので、内容については責任持てません。


by spank02
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河童のクウと夏休み

河童のクウと夏休み_b0202491_0433495.jpg


2008年制作  原恵一 監督

ストーリー

夏休み前のある日、小学生の帰り道に上原康一は大きな石を拾った。
持ち帰って水で洗うと、中から何と河童の子供が!!第一声は「クゥ?!!」。
康一はこの河童を「クゥ」と名付ける。クゥは康一たちと同じ言葉を話し、
何百年もの間、地中に閉じ込められていたことがわかる。
最初は驚いた家族もクゥを受け入れ、クゥのことは秘密にしようと決めるが…。


感想


カラフルと同じ原恵一監督の作品です。

少年がクウを助け出し、共同生活を始める。
少年漫画にありがちな設定ですが、案外家族がすんなり河童の存在を認めて
共同生活を始める辺りが、まるでQちゃんや、ドラえもんみたい。
家族がどのスタンスでこの非日常を受け入れるのか?
実は物語を見ている側を、非現実に引き込む重要な要素なのかもしれません。

そういった意味で、アニメーションにはとても向いてる題材かも知れませんね。

そのベタな展開にもかかわらず、とても泣けます。良い話です。
飼い犬の「おっさん」良い味出してます。

カラフルでもそうでしたが、いじめや環境、メディア、
色んな現代社会の問題をさらりとちりばめてます。

強く非難する程ではなく、少し心に引っかかる位。

しかしアニメの監督は凄いですよね、役者を演出するように、
アニメーターに細かい動きや演出を伝えて、作品にして行くのですから。


ある意味ジブリなんかは、企画を上げてもすんなり通ってスポンサーも付き、
潤沢な資金で制作できるでしょうけど、
ともすれば地味で、決してトトロの様に可愛くない「クウ」で制作を続けるのは、
並大抵の努力じゃ出来なかったのでは?と思います。

日本のアニメは世界的に見ても凄いと思いますが、いわゆるオタク向けじゃなくて、
幅の広いこんな作品もあるのだから、まだまだ捨てたもんじゃない。


原監督良くぞこんな作品を、世に贈り出してくれました。

すっかり原監督のファンになりました。

★★★★☆
# by spank02 | 2010-09-04 01:15 | DVD

プール

プール_b0202491_22273767.jpg


2009年制作 大森美香 監督

ストーリー

4年前、チェンマイの郊外にあるゲストハウスで働き始めた母を訪ねて、
さよは一人、タイに降り立つ。
小さなプールがあるゲストハウスにはでさよは、久々に会った母が、
初めて会う人たちと楽しそうに暮らしている姿をどうしても素直に受け入れることができず、
戸惑いを感じていた…。
小さなプールのまわりに集まる5人の6日間の物語。

感想

かもめ食堂、めがねに続く第三段的な映画です。
しかし監督は前作までの荻上直子とは違います。

ゆったりと流れる時間の中、素敵な風景と美味しい料理、
ボーっと眺めているだけで癒される作品です。

映画としての内容は、とても薄くイメージビデオみたい。
それでも、京子とさよの微妙な親子関係がとても素敵な映画でした。

次に公開される「マザーウォーター」も似たようなキャストで、
似たような作りに思われ、流石に4匹目のドジョウは辛いかと、、、

僕は荻上直子監督ファンですので、トイレットの方が楽しみです。

追記

後で思ったのですが、「青いパパイヤの香り」(1993年フランス)
と言う映画を思い出しました。

このテイストが好きな方なら是非お勧めの映画です

★★★☆☆
# by spank02 | 2010-08-30 22:46 | DVD

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程_b0202491_9452197.jpg


監督 若松孝二

ストーリー

イデオロギーが社会や国を動かしかけた時代、
学生運動の一部、過激分子から派生した極左暴力、そこから生み出された連合赤軍の若者が
何に突き動かされ、どのような葛藤を経てあさま山荘事件へと至っていったのか、
そして自滅したのか・・・。これは連合赤軍側の立場から、
彼らの生き様を徹底的に検証していく映画である。
鬼才・若松孝二監督が‘あさま山荘事件’を徹底検証していく実録ドラマ。

感想

あさま山荘→なんか鉄球で攻撃した事件
赤軍→学生運動、よど号ハイジャック

学生運動や赤軍について興味を持った時期もありましたが、所詮僕が持ってる予備知識なんて
この程度でした。

この映画を観るきっかけになったのは若松監督の「キャタピラー」を観たのがきっかけでした。
以前から、壮絶な映画であると、噂は聞いていたのですが、すごかったです。
連合赤軍側側の視点で描かれた作品ですが、かといって正当化していない所が好感を持てました。

学生運動って、大学の授業料値上げ、日米安保、沖縄返還、羽田闘争、ベトナム戦争
などが主な抗議内容だったんですね。

当時の学生の熱い思いや時代の背景など、71年生まれの僕にとっては、正直全く理解できない。
劇中に出てくる「総括」「自己批判」「革命戦士」などはすごく滑稽に映りました。

山中に立てこもり、軍事訓練を繰り返すメンバー達。
今の時代と違って、携帯もネットも無い時代、どうやって連絡を取り情報を得ていたのか?
ある意味社会と断絶して自分達の思想や理念にのめり込むには最適な環境だったんでしょうね。

連合赤軍がカルト化して行き、集団リンチの末に、山岳ベース事件→あさま山荘事件へと
凶悪な事件を起こしていったのは、必然であった事が良く分る映画でした。

しかし、共産国が次々と破綻をきたして民主化され、
冷戦構造がとっくに終わりを告げた今だからこそ、冷静に振り返る事が出来る訳ですが、
当時若干20代の青年たちにとって、紛れも無く正義だったのでしょうね。



★★★☆☆
# by spank02 | 2010-08-28 10:18 | DVD

カラフル

はじめての投稿一つ目が「カラフル」です。

カラフル_b0202491_636573.jpg


森絵都 原作  原恵一 監督

 ストーリー

死んだはずの「ぼく」の魂にむかって、天使が言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」。
天使によると、「ぼく」は生前、大きな過ちを犯して死んだ、罪な魂であり、
通常ならば輪廻のサイクルから外されてしまうが、幸運にも抽選で当たり、再挑戦のチャンスを得た。

再挑戦とは、「ぼく」が失敗した下界で、誰かの体を借りて一定期間修行をする
(この修行を、天使業界では「ホームステイ」という)ことで、
修行が順調に進むと、「ぼく」は前世の記憶を取り戻すことができ、
前世で犯した過ちの大きさを自覚した瞬間にホームステイは終わる。

「ぼく」が乗り移ったのは「小林真」という自殺したばかりの14歳の少年。

ところが、真は絵を描くのが得意な以外は、親友と呼べる友達もいない、冴えないヤツだった。
父親は自分だけ良ければいい偽善者で、母親はフラメンコの先生と浮気中。
兄の満は無神経で意地悪。しかも、好きな女の子・桑原ひろかは、中年オヤジと援助交際中ときた。


 感想

何の予備知識もなく、ふらっと観に行きましたが、それと言うのも監督さんが、
クレヨンしんちゃんの映画を撮った方だったので、これは!と思って観に行きました。

主人公「真」が生き返ると言ういきなりの暗いシーンからの展開。

カラフルと言う割には、全体的に暗い色調の画面。
正直キャラクターも、今のアニメっぽくなく、どこかの広報アニメみたい。

観客は、何の予備知識も無いところから観始めるので、生き返った主人公「真」の心境に
素直に感情移入出来ます。

友人もいなくて、クラブは美術部。

どうもいじめられていたみたいで、そのくせ内弁慶
家族には辛く当たります。

今の中学生って皆こんな感じなんだろうか?

自分の学生時代を遠くから引き寄せながら、見ていくと色々な思い出がよみがえり
共感できたり、しっかりせいよ!!と思ってみたり。

母親の不倫に対する嫌悪感や、初めて出来た友人早乙女との交流。

凄く繊細な心の黍が見事に表現されています。

特に印象に残ったのは

初めて出来た友人「早乙女」と、コンビニで肉まんとチキンを分け合いながら
友情を確かめ合うシーンや、
頼り無いお父さんとの遠出で垣間見える、家族への気遣い。
家族が本音で語りあった鍋のシーンなど。

流石この監督人情派ですね!

色んな場面に出てくる、生きる事への励ましの台詞が、不思議と嫌味でなく
とても心に響きました。

15歳と言う微妙な年齢、自分も色んな思いで過ごした記憶があります。
悩めると言う事は、それだけ向き合うと言う事。

今の生活の中である意味一番欠けているかもしれません。

とにかく、このブログを始めたいと思うほど、素敵な映画でした。

カラフルと言うタイトル、観終わった後には、なるほどと感じますよ!


★★★★☆
# by spank02 | 2010-08-22 06:59