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映画や演劇の感想ブログです。個人的な感想でおおよその資料で書くので、内容については責任持てません。


by spank02
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悪人

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2010年 李相日監督

ストーリー

長崎の外れの小さな漁村に住む祐一(妻夫木)は出会い系サイトを通じて
佐賀在住の光代(深津)と出会う。
逢瀬を重ねる2人だったが、祐一は世間を騒がせている福岡の女性殺人事件の犯人だった……。

感想

初めてこの映画の予告編を観た時、妻夫木さんが主演とは気付きませんでした。
それほど、彼の表情が役に入り込み、気合を感じたのです。

後に「フラガール」の監督と知り、これは観ねば!と思っていたら、
「モントリオール国際映画祭最優秀女優賞」公開前にこれ以上の宣伝はありませんね。

深津絵里さんの登場は30分を過ぎてから、かなり遅い登場です。

田舎に暮らす裕一は車と出会い系にはまり、祖父母の世話と仕事の毎日。
その暗い表情と、無口な感じは凄く良い演技。
遊び回る石橋佳乃(満島ひかり)や増尾圭吾(岡田将生)とは対照的な生活です。

裕一は光代と出会い、お互い惹かれあう訳ですが、そのメインストーリーと同等に
殺害された両親や、育ての祖父母の苦悩も多く描かれていいます。

樹木希林と柄本明が鉄板で良い演技ですね!

自分が起こした行動で、周りの人への与える影響と言うか、
人は色々な人間関係の上に成り立っている。
自分一人の責任や思いだけで、行動しているように思っていますが、
その行動一つ一つに、複雑に他人と影響しあっている。

人と向き合うと言う事は、生きるその物だと思いますが、
日常の生活の中でもっと真剣に相手に向き合わなあかんなと、
ずっしり心に圧し掛かって来る作品でした。


「悪」は確かにあるのだけれど、悪人はどこにいるか?

凄くヘビーな映画だったけど、良い映画でした。

違う映画ですが「ヴァイブレータ」と言う映画があります。
寺島しのぶと大森南朋主演の作品です。
似たような内容ながら、こちらは2人の世界をドップリ掘り下げています。
見比べてみるのも面白いかも。

余談ですが増尾圭吾(岡田将生)がどうしようもなく嫌な役で、
これは以前観た「告白」でも同じ様に嫌な役でした。

これから彼を見る目が変わりそうです(笑)


★★★☆☆
by spank02 | 2010-09-13 13:52 | 邦画